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自宅の軒下やベランダで蜂の巣を見つけたとき、「棒で落とせば解決するのではないか」と考える方もいるでしょう。
しかし、蜂の巣は壊したり落としたりするだけでは駆除完了になりません。 巣の外に出ていた蜂が戻ってきたり、巣を攻撃されたと判断した蜂が興奮したりするため、かえって刺される危険が高まることがあります。
特にスズメバチの巣を不用意に刺激する行為は非常に危険です。蜂の種類や巣の大きさ、作られている場所を確認し、安全を確保したうえで適切に対処する必要があります。
本記事では、蜂の巣を壊したらどうなるのか、壊した後に起こり得るリスク、自分で撤去できるケースと専門業者へ依頼すべきケースについて解説します。
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蜂の巣を壊した直後は、周囲に蜂が見当たたなくなり、問題が解決したように感じるかもしれません。
ところが、巣だけを落としても生き残った蜂は周辺に残っています。外に出ていた蜂が元の場所へ戻ることもあるため、むしろ巣を壊した後のほうが注意を必要とする場合があります。
まずは巣から十分に離れ、窓やドアを閉めて、家族や近隣住民が近づかないようにしてください。
蜂の巣を棒や高圧の水などで落としたとしても、蜂そのものを駆除したことにはなりません。
蜂の巣には、女王蜂や幼虫、さなぎなどが存在することがあります。また、働き蜂の一部はエサ集めなどのため巣の外へ出ているため、巣を落とした時点ではその場にいない可能性があります。
外出していた蜂は、帰巣本能によって元の巣があった場所へ戻ってきます。このような蜂は一般に「戻り蜂」と呼ばれます。自治体の案内でも、駆除後2~3日程度は働き蜂が巣のあった場所を飛ぶ場合があると注意喚起されています。
外出していた蜂が元の場所に戻ってくる現象には警戒が必要です。蜂の巣撤去後に知っておきたい!「戻り蜂」対策についても併せて確認し、安全を確保してください。
そのため、蜂の巣の撤去では、次の作業を一連の対応として考える必要があります。
「巣を落とすこと」と「蜂を駆除すること」は別であると理解しておきましょう。
巣を失った働き蜂は、すぐにその場所から完全にいなくなるとは限りません。
元の巣があった場所を探すように飛び回ったり、壁や軒下にとまったりすることがあります。巣の撤去時に外出していた蜂が、しばらくしてから戻ってくることもあります。
巣の周囲を飛び続けている蜂に対して、手で払う、物を投げる、再び殺虫剤を近距離から噴射するといった行動は危険です。蜂をさらに刺激し、自分や周囲の人が攻撃対象になる可能性があります。
巣を壊した後に蜂が飛んでいる場合は、近づかず、屋内へ避難してください。ベランダや玄関付近であれば、窓やドアを閉め、洗濯物の取り込みや外出も一時的に控えましょう。
次のような状況では、蜂の巣を壊した後に刺される危険が特に高くなります。
蜂に追いかけられた場合は、手で振り払ったり、その場で激しく動いたりせず、姿勢を低くしながら静かに巣から離れてください。
また、死んでいるように見える蜂でも、反射的に針が動いて刺さることがあります。自治体も、落ちた蜂や巣を素手で触らないよう注意を呼びかけています。

住宅周辺に巣を作る蜂として、主にスズメバチやアシナガバチが挙げられます。
どちらも巣を刺激すれば刺される危険がありますが、一般的にはスズメバチのほうが攻撃性や危険性が高いとされています。スズメバチかアシナガバチか分からない場合は、危険性の高い蜂であると想定して近づかないことが重要です。
スズメバチは巣を守ろうとする防衛本能が強く、巣に近づいたり振動を与えたりすると、威嚇や攻撃を受けることがあります。
スズメバチの巣は、初期にはとっくりを逆さにしたような形をしており、成長すると丸いボール状やマーブル模様の外皮を持つ形になることがあります。
巣が大きくなるにつれて働き蜂の数も増えるため、不用意に壊すと複数の蜂から一斉に攻撃されるおそれがあります。蜂の種類に関する資料でも、スズメバチは攻撃性・威嚇性が強く、巣に近づくだけでも危険とされています。
次のような場合は、自力で壊したり撤去したりせず、専門業者へ相談してください。
「遠くから棒で落とせば大丈夫」という考えは危険です。巣を落とす前に蜂が飛び出し、攻撃される可能性があります。
アシナガバチは、スズメバチと比べると攻撃性が低い傾向にあります。ただし、おとなしい蜂だから安全というわけではありません。
軒下やベランダ、室外機の周辺などに作られることが多く、巣に急接近したり刺激を与えたりすると刺されることがあります。
アシナガバチの巣は、一般的に六角形の巣穴が外から見えるシャワーヘッドのような形をしています。
巣を壊した後には、次のようなことが起こる可能性があります。
小さな巣であっても、蜂が複数飛んでいる状態で壊すのは危険です。巣の規模だけでなく、蜂の数や作業場所を含めて判断しましょう。
春先の作りかけの巣では、女王蜂が単独で巣作りをしていることがあります。この段階では巣が小さく、働き蜂もまだ少ない傾向にあります。
一方、季節が進んで幼虫や働き蜂が増えると、巣の規模が大きくなり、駆除時の危険性も高まります。
巣を落としたときに女王蜂が生き残っていると、近くで再び営巣を始める可能性も否定できません。また、巣の中に幼虫やさなぎが残っている場合は、働き蜂が周囲にとどまることがあります。
巣を落とした後も蜂の出入りが続いている場合は、巣の一部が建物内部に残っている可能性もあります。屋根裏や換気口、外壁の隙間に蜂が出入りしているときは、入口をすぐにふさがず、専門業者に内部を確認してもらいましょう。
入口だけをふさぐと、建物内に残った蜂が室内側へ出てくることがあります。

落とした蜂の巣を地面やベランダに放置するのも適切ではありません。
巣の中に蜂や幼虫が残っている可能性があるほか、死骸にも針が残っています。蜂が完全にいなくなったことを確認してから、安全な方法で処分する必要があります。
蜂の死骸には針が残っており、素手で触ると刺さる危険があります。完全に死んでいるように見えても、手で直接拾わないでください。
自治体では、駆除後の巣や死骸を翌日まで置き、蜂がいなくなったことを確認したうえで、ホウキやちり取りを使ってごみ袋へ入れる方法を案内しています。
処分する際は、次の点を守りましょう。
殺虫剤を噴射した直後に巣へ近づくのは避けてください。薬剤が十分に効いていない蜂が残っている可能性があります。
スズメバチやアシナガバチの古い巣が、翌年そのまま再利用されるわけではありません。八王子市も、冬に空になった巣は翌年以降再利用されないと案内しています。
ただし、同じ場所が蜂にとって巣を作りやすい環境であれば、新しい巣を近くに作られる可能性はあります。
例えば、次のような場所は営巣場所として選ばれやすいため、再発防止が必要です。
巣を撤去した後は、巣が付着していた部分を清掃し、建物の隙間や破損箇所を補修しましょう。蜂用の忌避剤を使用する場合は、製品の注意事項を守り、人やペットへの影響にも配慮してください。
蜂の巣を壊した後は、自宅だけでなく周囲への影響も考える必要があります。
興奮した蜂が隣家の庭や道路へ移動することもあるため、家族や近隣住民に状況を伝え、巣があった場所へ近づかないよう注意を促しましょう。
特に、次の場所に巣があった場合は慎重な対応が必要です。
巣を壊した当日だけでなく、その後数日間は蜂が戻っていないか離れた場所から確認してください。蜂の出入りが続く場合は、再び自分で刺激せず、駆除業者へ相談しましょう。

作りかけの小さな蜂の巣は、成長した巣よりも蜂の数が少ないことがあります。そのため、早期に対処すること自体は有効です。
ただし、小さい巣だからといって、無条件に素手や棒で壊してよいわけではありません。女王蜂が巣にいる状態で刺激すれば、刺される可能性があります。
作りかけの巣を見つけたら、まず安全な距離を保ったまま、次の項目を確認してください。
蜂の種類が分からない、巣が見えにくい、頻繁に蜂が出入りしている場合は、自力撤去を控えてください。
小さな巣だからと無条件に壊すのは危険です。被害が拡大する前に、作りかけの蜂の巣を見つけた時の対処法とはも参考に、正しい手順で対応しましょう。
また、室外機の内部に巣がある場合は、運転や振動によって蜂を刺激する可能性があります。エアコンをむやみに稼働させず、専門業者へ相談したほうが安全です。
一般的に、自力での対応を検討できるのは、次の条件をすべて満たすような限定的なケースです。
一方、次のケースは自力対応に適していません。
自力駆除で問題になりやすいのは、蜂に刺されることだけではありません。驚いて脚立から落ちる、殺虫剤を吸い込む、屋内に蜂が侵入するといった二次被害も考えられます。
蜂の巣は春から作られ始め、夏から秋にかけて大きくなる傾向があります。巣が成長するほど働き蜂の数が増え、危険性も高まります。
自力対応を行う場合、一般的には蜂が巣へ戻り、活動が弱まる日没後が選ばれます。自治体でも、アシナガバチの駆除は日没以降に行う方法が案内されています。
ただし、夜間であれば必ず安全というわけではありません。
暗闇で足元が見えず転倒する危険があるほか、懐中電灯の光に蜂が向かってくることもあります。町田市は、夜間の作業中に懐中電灯などで巣を照らさないよう注意を示しています。
巣の大きさや蜂の種類に少しでも不安がある場合は、時間帯にかかわらず専門業者へ依頼しましょう。

蜂の巣の駆除は、刺傷事故につながる危険な作業です。ここで紹介する方法は、スズメバチの巣や大きな巣、閉鎖空間の巣に対して自力駆除を勧めるものではありません。
自治体によっては、防護服の貸し出しや駆除業者の案内を行っている場合があります。作業前に市区町村の担当窓口へ問い合わせてください。
作業する場合は、肌の露出を可能な限りなくします。
必要となる基本的な装備は次のとおりです。
普通の雨具や薄手の作業着では、蜂の針を完全に防げない場合があります。可能であれば専用の防護服を使用してください。
服装は黒や暗い色を避け、白や薄い色を選びます。また、香水、整髪料、香りの強い柔軟剤などは使用しないようにしましょう。自治体も、肌の露出を減らすことや黒い服、強い香りを避けるよう案内しています。
作業前には、巣から屋内や車内など安全な場所まで、障害物のない退避経路を確保してください。
殺虫剤は必ず蜂専用の製品を使用し、使用前に説明書を確認してください。
特に注意したい点は次のとおりです。
風が強い日は、薬剤が流されて自分にかかったり、十分な効果が得られなかったりするため、作業を中止してください。
また、巣に薬剤をかけた瞬間、蜂が一斉に飛び出すことがあります。スプレーの届く距離だけでなく、すぐに退避できる位置関係を確保することが重要です。
スプレーが途中でなくなった、蜂が自分の方向へ飛んできた、想定以上の数が出てきた場合は、作業を続けず直ちに避難してください。
駆除後は、すぐに巣を手で取らず、翌日まで待って蜂の動きがないことを確認します。
安全な処分の基本的な流れは以下のとおりです。
駆除後も蜂が繰り返し戻ってくる場合や、壁の隙間へ出入りしている場合は、巣の一部または別の巣が残っている可能性があります。
入口をふさいで終わらせるのではなく、専門業者に現地調査を依頼してください。
なお、蜂に刺された場合は、まず巣から離れて安全な場所へ移動し、傷口を流水で洗って冷やします。息苦しさ、じんましん、めまい、吐き気、冷や汗、意識の異常などが現れた場合は、アナフィラキシーの可能性があるため、直ちに119番へ連絡してください。
蜂の巣を壊しただけでは、蜂の駆除が完了したとはいえません。
巣の外に出ていた働き蜂が戻ってきたり、生き残った蜂が元の場所を飛び回ったりするため、壊した後に刺される危険が高まることがあります。
特に注意したいポイントは次のとおりです。
蜂の巣を見つけたときに最も重要なのは、急いで壊すことではなく、蜂の種類や巣の状態を安全な距離から確認することです。
すでに巣を壊して蜂が周囲を飛んでいる場合は、無理に作業を続けず、建物内へ避難しましょう。スズメバチの可能性がある場合や、蜂の数が多い場合は、自治体の窓口または蜂駆除の専門業者へ相談することが安全な解決につながります。