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軒下やベランダにアシナガバチの巣を見つけたとき、「刺激しなければ襲ってこないと聞くし、そのままでもいいのでは」と迷う人は多いはずです。実際、アシナガバチはスズメバチに比べて攻撃性が低く、毛虫などの害虫を食べてくれる益虫の一面もあります。そのため、自治体の案内でも「人の手が届かない場所の巣は、できる限りそのままにしておく」という考え方が示されています。
一方で、巣の場所や時期によっては、放置が刺傷事故につながることもあります。この記事では、放置しても大丈夫なケースと駆除を検討すべきケースの判断基準、季節ごとの考え方、安全な対処法、業者に依頼する場合の目安までを解説します。

結論からいうと、「人が通らない場所にあり、近づく必要がない巣」であれば、すぐに駆除しなくてもよいとされています。ただし、働きバチが出入りしている活動中の巣が、玄関や物干し場、ベランダなど日常的に人が近づく場所にある場合は、放置はおすすめできません。洗濯物の取り込みや窓の開け閉めで巣に近づいてしまい、気づかないうちに刺激して刺されるという事故が起こりやすいためです。
巣に蜂がいなくなっていれば、基本的に急いで撤去する必要はありません。見た目が気になる、落下しそうで不安といった理由があれば、あとで落ち着いて取り除けば十分です。
ただし、「本当に空かどうか」の確認は慎重に行いましょう。秋は新しい女王バチやオスバチが巣立つ時期で、活動は穏やかになっていきますが、巣にまだ蜂が残っていることもあります。巣に近づく際は、蜂の出入りがないか離れたところから時間をかけて観察してください。
アシナガバチの巣は、ハスの実やシャワーヘッドを逆さにしたような形で、下から見ると六角形の穴がたくさん見えるのが特徴です。外皮(覆い)がないため、中の様子が外から見えます。一方、スズメバチの巣は、外皮に覆われた球状で、出入り口の穴が1か所だけという構造をしています。
飛び方にも違いがあり、アシナガバチは後ろ足を垂らしてゆるやかに飛ぶのに対し、スズメバチは速く一直線に飛びます。見分けに自信がないときは、近づいて確かめようとせず、自治体や専門業者に相談しましょう。

アシナガバチの巣は、春に越冬から目覚めた女王バチが1匹で作り始めます。5〜6月ごろに働きバチが生まれ、7月下旬〜8月ごろに巣の大きさと働きバチの数がピークを迎えます。時期ごとの危険度の目安は、次のとおりです。
| 時期 | 巣の状態 | 危険度の目安 |
|---|---|---|
| 4月中旬〜5月ごろ | 女王バチ1匹で巣作り中 | 小さな巣で、まだ対処しやすい |
| 6月〜7月ごろ | 働きバチが増え始める | 出入りが増え、近づくと危険が高まる |
| 7月下旬〜9月ごろ | 巣・働きバチとも最大 | 最も刺されやすい時期 |
| 10月〜11月ごろ | 新女王が巣立ち、活動が終息へ | 活動は穏やかだが、蜂が残っていることもある |
小さいうちは対処しやすく、巣が大きくなるほど駆除の難易度と危険が上がります。気になる場合は、春〜初夏の早い段階で判断するのが安全です。
アシナガバチは、雨風をしのげる軒下に巣を作ることが多く、玄関まわりやベランダ、物置などでも見つかります。こうした場所では、次のような場面で刺される事故が起こりがちです。
また、洗濯物に紛れて蜂が室内に入り込んでしまうこともあります。
活動が終わった巣は、そのまま残っていても、時間とともに劣化して汚れや変色が目立つようになります。また、巣の近くで死んだ蜂を素手で触ると、反射的に針を出して刺す場合があるといわれています。死骸や巣を片付けるときは、必ず手袋などを着用し、素手で触らないようにしましょう。

アシナガバチは、晩秋になると新しい女王バチ以外はすべて死んでしまいます。新女王バチは、巣とは別の場所(木のうろや朽木の隙間など)にもぐり込んで越冬します。そのため、冬の巣は基本的に空っぽになっています。
アシナガバチの巣は一年限りで使い捨てられ、翌年に同じ巣が再利用されることはないとされています。春になると、越冬から目覚めた新女王バチが、新しく巣を作り始めます。
ただし、新女王バチは巣のあった場所の近くで越冬するともいわれており、同じ場所が営巣に適した環境であれば、翌年も近くに新しい巣を作られる可能性があります。
冬の空の巣は、蜂が刺してくる心配がほぼないため、安全に撤去できる時期です。見た目が気になる場合や、同じ場所に再び巣を作られたくない場合は、冬のうちに撤去しておくとよいでしょう。そのうえで、4月ごろから軒下やベランダなど巣ができやすい場所に予防用のスプレーをしておくと、巣作りの下見に来た蜂を寄せつけにくくなります。

次のような場所に活動中の巣がある場合は、駆除を検討しましょう。
特に、小さな子どもや高齢者は、刺されたときに重症化するリスクがあるため、早めの対応が安心です。
巣の周りを蜂が頻繁に出入りしている、家の周りを蜂が常に飛び回っているといった様子が見られる場合は、活動中の巣と考えられます。巣が大きくなっているほど蜂の数も多く、自力での駆除は難しくなります。
換気口や屋根裏、エアコンの室外機の内部など、巣の全体が見えにくい場所は要注意です。巣の大きさや蜂の数が把握できず、スプレーが機器に悪影響を及ぼすおそれもあるため、専門業者に依頼するのが基本です。
人家の周辺で見かけるアシナガバチには、フタモンアシナガバチ、キアシナガバチ、セグロアシナガバチなどがいます。種類によって巣の大きさや性質が少しずつ異なりますが、一般の方が見分けるのは難しいものです。
種類を確かめようとして巣に近づくのは危険です。写真を撮るときも、離れた場所から望遠で撮影するか、蜂の動きや巣の形をよく観察する程度にとどめてください。種類の判断が難しいときは、自治体の窓口や業者に写真を見てもらうのが確実です。

まずは巣に近づかないことが第一です。突いたり、物を投げたりして刺激しないようにしましょう。巣のある場所への出入りを避け、家族にも巣の場所を共有しておくと安心です。
蜂は黒い色に対して攻撃的になる傾向があるため、屋外で作業をするときは白っぽい服を選び、帽子をかぶって髪を隠すと安全性が高まります。香水やヘアスプレーなど、においの強いものも避けましょう。
アシナガバチの巣は、初期の小さなものであれば、自力で駆除できる場合もあるとされています。ただし、作業の前に次の点を確認してください。
ひとつでも不安があれば、無理をせず、専門業者や自治体に相談してください。
自力で駆除する場合は、自治体の案内でも、次のような手順が紹介されています。
なお、ハチ用スプレーは、屋外での使用を前提としたものが多く、室内での使用には向いていません。また、巣の近くにいる蜂に至近距離で噴射して、反撃を受けるリスクもあるため、作業は慎重に行ってください。
木酢液や忌避スプレー、防虫ネットは、巣を作らせないための予防策であり、すでにある巣を駆除する効果はありません。あくまで、巣ができる前の対策として使うものと考えましょう。換気口や通気口にカバーを取り付けておくと、巣作りの場所として選ばれにくくなります。

アシナガバチの巣の駆除費用は、業者や巣の大きさ、場所によって幅があります。目安としては、数千円〜3万円程度とされることが多いようです。屋根裏や高所など、特殊な作業が必要な場所では、追加費用がかかる場合もあります。
正確な金額は、現地調査や見積もりで確認する必要があります。料金の内訳(基本料金、出張費、追加作業費など)が明確かどうかも、あわせて確認しておきましょう。
業者を選ぶときは、次の点を確認すると安心です。
電話で相談するときは、蜂の種類(わかる範囲で)、巣の大きさと場所、蜂の出入りの様子を伝えると、見積もりがスムーズです。
マンションや賃貸住宅のベランダ、軒下、廊下などは、共用部分に当たる場合があります。個人の判断で駆除をする前に、まずは管理会社や大家さんに連絡し、対応や費用負担について確認しましょう。
また、自治体によっては、スズメバチ以外の巣の駆除を行っていないところもあります。一方で、防護服を無料で貸し出している自治体や、相談窓口を設けている自治体もあるため、お住まいの市区町村の案内をチェックしてみてください。
アシナガバチは、スズメバチに比べると攻撃性が低く、巣が人の近づかない場所にあるなら、無理に駆除しなくてもよいとされています。ただし、玄関やベランダなど人が近づく場所にある活動中の巣や、屋根裏・室外機など確認しにくい場所の巣は、放置せずに対処を検討しましょう。
冬の空の巣は翌年に再利用されませんが、同じ場所に新しい巣を作られる可能性はあります。冬のうちに撤去して、春から予防をしておくと安心です。自力での駆除に不安があるとき、また、スズメバチかどうか判断がつかないときは、無理をせず専門業者や自治体に相談してください。